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Aghamiri, S. M. S.*; 曽和 貴志*; 鵜飼 重治*; 大野 直子*; 坂本 寛*; 山下 真一郎
Materials Science & Engineering A, 771, p.138636_1 - 138636_12, 2020/01
被引用回数:32 パーセンタイル:90.98(Nanoscience & Nanotechnology)酸化物分散強化型FeCrAlフェライト鋼は、高温までの優れた機械特性とアルミナ皮膜形成による水蒸気酸化特性の著しい改善により、軽水炉用事故耐性燃料被覆管候補材料として開発されてきている。本研究では、被覆管成型プロセスにおいて、1100Cと1150Cの異なる引き抜き温度で成型した時のFeCrAl-ODS被覆管の微細組織特性及び引張特性を調査した。温間引き抜き成型した試料では、110方向に沿った集合組織を有するミクロンサイズの繊維であったのに対し、冷間ピルガ-圧延で成型した微細組織では、結晶の回転を経由し、110方向に沿った集合組織を有するミクロンサイズの繊維と{111}面に沿った集合組織を有するサブミクロンサイズの繊維が確認された。次に、最終アニーリングを行うことで、これらの組織は約810-850Cで再結晶化した大粒径の再結晶組織に変化した。再結晶被覆管材において、これら2つの異なる集合体組織発達が生じた。すなわち、引き抜き温度を1100Cにして成型した時に形成した(110) 211集合組織を有する大きな伸張粒と、より高い温度の1150Cで引き抜き成型した時に見られた(110) 211集合組織と{111} 112集合組織である。1100Cで引き抜き加工を施した被覆管において生じた異なる集合組織の発達と再結晶の遅延は、酸化物粒子の高密度分散に起因していると考えられる。
Yang, S.*; 勝村 庸介*; 山下 真一*; 松浦 千尋*; 広石 大介*; Lertnaisat, P.*; 田口 光正
Radiation Physics and Chemistry, 123, p.14 - 19, 2016/06
被引用回数:2 パーセンタイル:19.71(Chemistry, Physical)沸騰水の線照射分解を行った。水素発生の収率は水中の極微量の有機不純物に大きく影響した。高純度の水を用いた場合、HとOの生成収率は0.48と0.24で、2:1となり、HOはほとんど生成しなかった。HとOの生成収率は線量率に依存し、線量率が下がるほど増加した。NaCl添加した場合、塩素イオンがOHラジカルを捕捉するため、H生成収率は約2倍に増大した。また、これらの結果は、決定論的化学反応速度論を用いたシミュレーションの結果とよく一致した。
出崎 亮; 森下 憲雄; 伊藤 久義; 神谷 富裕; 中本 建志*; 木村 誠宏*; 槙田 康博*; 荻津 透*; 大畠 洋克*; 山本 明*
AIP Conference Proceedings 824, p.330 - 334, 2006/03
ポリイミドやガラス繊維強化プラスティック(GFRP)は大強度陽子加速器施設(J-PARC)のニュートリノビームラインにおける超伝導磁石の電気絶縁材や構造材として使用される。これらの有機材料は4Kの極低温、かつ30kGy/yearの高放射線場において電気的・機械的特性を維持しなければならないため、その耐放射線性を評価することが不可欠である。本研究では、これらの有機材料の耐放射線性評価の一環として、液体窒素温度での線照射によって有機材料から発生するガスを分析した。その結果、発生ガスの主成分は水素であり、ニュートリノビームラインの超伝導磁石システム全体における水素発生量は0.37mol/yearであることを明らかにした。このことから、有機材料から発生するガスが超伝導磁石の冷媒である超臨界ヘリウムの精製機に及ぼす影響はほとんど無視できるとの結論を得た。
Konovalov, S. V.; Mikhailovskii, A. B.*; 小関 隆久; 滝塚 知典; Shirokov, M. S.*; 林 伸彦
Plasma Physics and Controlled Fusion, 47(12B), p.B223 - B236, 2005/12
被引用回数:7 パーセンタイル:24.62(Physics, Fluids & Plasmas)新古典テアリングモード(NTM)は、トカマクプラズマにおいてプラズマ圧力を制限し、閉じ込めを劣化させるものとして知られている。NTM成長における鍵となる役割は、プラズマ流,温度,密度であり、熱伝導や粒子拡散や粘性による磁場に垂直方向と水平方向の輸送によって決まる。この発表は、垂直異常熱輸送とイオンの粘性効果のNTMへの影響を理論的に調べた。
遠藤 章; 山口 恭弘; 住田 健二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(8), p.628 - 630, 2003/08
被引用回数:4 パーセンタイル:31.64(Nuclear Science & Technology)JCO臨界事故による被ばく線量の評価は、JCOの線モニタ,原研那珂研の中性子モニタ及び現場周辺で測定されたモニタリングデータに基づいて行われた。臨界継続中、事故現場から約1km離れた三菱原子燃料において、高感度の燃料集合体非破壊測定システム(UNCL)を用いた中性子計測が行われていたことがわかった。日本原子力学会JCO事故調査委員会はこのデータを入手し、委員会メンバーである著者らは、その解析から臨界に伴い発生した中性子強度の推移を評価した。その結果、事故発生から約1時間半後から臨界状態終息までの中性子強度の変化は、線モニタ,中性子モニタの記録と一致することが明らかとなった。本解析結果は、線量評価に用いられた線量率の時間推移に関するモデルが適切なものであったことを示している。
甲斐 哲也; 前川 藤夫; 春日井 好己; 仁井田 浩二*; 高田 弘; 明午 伸一郎; 池田 裕二郎
Proceedings of ICANS-XVI, Volume 3, p.1041 - 1049, 2003/07
以下の点に着目して、放射能計算コードシステムDCHAIN-SPの妥当性評価を行った。(1)20MeV以下の放射化断面積ライブラリーFENDL/A-2.0,(2)NMTC/JAMが計算する20MeV以上の高エネルギー粒子による核種生成率,(3)DCHAIN-SPによる高エネルギー粒子が誘起する全エネルギー範囲での核種生成率。42の放射化断面積と22のトリチウム生成断面積を改訂することにより、DCHAIN-SPは14-MeV中性子に対する放射化断面積を、30%以下の精度で求めることができるようになった。軽核の生成率評価の精度を向上させるため、NMTC/JAMにGEMモデルを取り入れた。しかしながら、10MeV10GeV陽子による核種生成率の精度は係数23程度であった。2.83GeVと24GeV陽子入射による厚い水銀ターゲット周辺に置いて試料の放射能の時間変化をDCHAIN-SPコードシステムで解析した計算結果は、係数23程度の範囲で実験と一致した。
春山 保幸; 須永 博美; 荒川 和夫; 瀬口 忠男
JAERI-Tech 2002-084, 105 Pages, 2002/11
ポリエチレン(PE)を真空中で線照射すると、水素ガスが発生し、その量は全発生ガスの99%を越え、線量にほぼ比例している。しかし線量が大きくなると、徐々に比例関係からずれて飽和する傾向を示す。この定量的な関係をPEに生成する2重結合による放射線分解の保護効果のモデルで解析した。超高分子量PEは水素ガス発生の割合がより高く、かつ再現性が高いことから、線の線量計に応用できる。数kGyから約10MGyの広い線量範囲に渡り、99%の精度で計測できる。
Wan, C.*; 本橋 嘉信*; 柴田 大受; 馬場 信一; 石原 正博; 星屋 泰二
Journal of Iron and Steel Research, International, Special Issue IFAMST, p.85 - 89, 2002/06
3Y-TZP試験片をさまざまな条件で超塑性変形させ、その熱拡散率をレーザーフラッシュ法により298Kから1273Kの温度範囲で測定し、超塑性変形が3Y-TZPの熱物性に与える影響について調べた。その結果、800K以下では熱拡散率は温度の増加に伴い低下する傾向にあるが、それ以上の温度範囲では熱拡散率はほとんど温度に依存しないことがわかった。また、熱拡散率は超塑性変形により生じたキャビティーに大きく依存するが、超塑性変形がもたらす平均結晶粒径やアスペクト比の変化にはほとんど影響されないことを示した。
倉田 有司; 内海 宏和*; 菊地 賢司; 鈴木 富男; 三浦 孝之*
Proc. of 4th Int. Conf. on Recrystallization and Related Phenomena (REX'99), p.283 - 288, 1999/00
高純度のNi-18.5Cr及びNi-18.5Cr-16W合金を用いて、クリープ曲線の変化とクリープ中の組織変化を調べた。Ni-18.5Crでは700,800Cで典型的な正常型クリープ曲線が得られた。この合金では900Cでクリープ速度の振動が観察された。これに対し、Ni-18.5Cr-16W合金では700~900Cで逆遷移型の3次クリープ支配のクリープ曲線が得られた。700CでNi-18.5Cr合金はサブグレインの形成が著しいが、Ni-18.5Cr-16W合金では転位はサブグレインを形成せず、均一に分布した。これらの結果はW添加がクリープ挙動をクラスIIからクラスIに変化させることを示す。クリープ中のその場観察によれば、Ni-18.5Cr合金では、ボイドは旧粒界付近にできる新しい粒界でしばしば発達することがわかった。
星 蔦雄
日本原子力学会誌, 38(3), p.216 - 218, 1996/00
中小型動力炉は局地的な電力、熱供給等に有望であることから、小規模電力需要国や発展途上国において導入に強い関心を示し、各国で開発が進められている。IAEAでは、今後需要が見込まれること、各国が強い関心を示していることから、関係各国の参加のもとに情報交換活動を進めている。ここでは、これまでのIAEAの会議の議事録をもとに、(1)諸外国における中小型動力炉の開発状況、(2)利用の動向、(3)技術的課題等について、現状、各国の認識、今後の動向について紹介する。
瀬口 忠男
放射線と産業, 0(66), p.4 - 8, 1995/00
放射線に耐える高分子材料の構造と種類について、解説した。また、放射線を照射する条件、環境による効果、耐放射線性材料の応用について最近の成果を解説した。
瀬口 忠男; 杉本 雅樹*; 岡村 清人*
High Temperature Ceramic Matrix Composites; 6th European Conf. on Composite Materials: HT-CMC, p.51 - 57, 1993/00
ケイ素系有機物の繊維を電子線照射して不融化処理することにより、1700Cに耐えるSiC繊維を合成することができた。また、有機物からセラミック繊維への反応課程をガス分析とラジカルの生成挙動で解析し、反応の起る温度域と反応の構造を解明した。この研究により、セラミック反応の最適条件を把握できた。
奥田 智昭*; 金光谷 和彦*; 古川 清志*; 八木 敏明; 瀬口 忠男
Proc. on the Electrical Electronics Insulation Conf. and Electrical Manufacturing & Coil Winding Conf., p.703 - 706, 1993/00
原子力発電所で使用される電線絶縁材料エチレン-プロピレンゴム(EPR)について、線照射および熱劣化を行った。線照射および熱劣化時のO消費量およびCO発生量をガスクロマトグラフで測定した。劣化EPRの破断伸びは劣化により発生するCO量およびO消費量と良好な相関性を示すことが分かった。OおよびCOガスの測定は高分子の劣化度評価方法として有効な手段と考えられる。
瀬口 忠男; 笠井 昇; 岡村 清人*
Proceedings of the International Conference on Evolution in Beam Applications, p.702 - 706, 1992/00
ケイ素系有機高分子の繊維をヘリウムガス中で電子線照射して、架橋させ、その後アルゴンガス中で焼成することによって超耐熱性(1700Cで2.5GPa)の炭化ケイ素繊維を合成した。電子線照射効果、最適の照射条件、得られたSiC繊維の特性を明らかにした。
泉 佳伸*; 西井 正信; 瀬口 忠男; 江間 喜美子*; 山本 忠史*
Radiation Physics and Chemistry, 37(2), p.213 - 216, 1991/00
高延伸した超高分子量ポリエチレンと高密度ポリエチレンの放射線酸化による照射効果を分解ガス生成、酸素の消費量、力学特性の変化を測定して、調べた。高延伸したPEの酸化は著しく大きくなり、また、メタン、エタンの発生量も増大した。これは、延伸により、非晶域が結晶に近い構造になって、その表面(界面)で酸化が促進されるためと考えられる。
荒川 和夫
Journal of Polymer Science, Part A-1, 25, p.1713 - 1716, 1987/00
高分子の放射線酸化反応における二重結合の反応性を定量的に明らかにすることを目的とし、エチレン-プロピレン-ジエン三共重合体の照射による酸素の消費量と発生ガスをガスクロを用いて調べた。40kPa~120kPaで酸素圧を変え、2kGy/hの線量率で500kGyまで照射した。酸素の拡散が律速とならない条件で、酸素の消費量は共重合体中に含有する二重結合量に比例して増加する。酸素との反応性はエチレン-プロピレン骨格に対し、二重結合部のほうが150倍大きい。この原因は、酸化過程における水素引き抜き反応により説明された。
荒川 和夫; 瀬口 忠男; 吉田 健三
Radiation Physics and Chemistry, 27(2), p.157 - 163, 1986/00
各種の照射施設等の放射線場に布設されている電線・ケーブルに塩素系絶縁材料を使用している場合は、照射により塩化水素(HCl)ガスを発生し、周辺の金属・電気機器類の接点等の腐食という問題を生じている。本報告ではポリ塩化ビニル(PVC)、クロロプレンゴム(CR)、およびクロロスルホン化ポリエチレン(CSM)の三種類の含塩素高分子の純粋および配合(基本・実用)試料について、真空中と酸素中においてCo-線を照射し、発生ガスと酸素の消費量をガスクロを用いて定量分析した。PVCの純粋試料は真空中・酸素中のいずれにおいてもHClの発生量に線量率依存性(0.12次)を示し、酸素中照射の方が真空中より約2倍HClの発生量が多い。CSMは配合によりHClの発生が抑えられ、GCでは検出されなくなる。一方、PVCとCRは配合によりHClの発生量が低下するが、10KGy当り~10mol/g検出される。
斎藤 敏夫*; 瀬口 忠男
EIM-85-155, p.19 - 30, 1985/00
電気絶縁用エポキシ樹脂、及び塗膜用エポキシ樹脂の耐放射性を機械的特性、ゲル分率、発生ガス等により調べた。 放射線照射はCo-60線を用い、酸素加圧下と真空中で行なった。酸素加圧照射の条件は空気中換算で18Gy/n、4.5Gy/nの低線量照射を模擬した促進劣化である。エポキシ樹脂(ビスフェノールA+グリシジルエーテル)の硬化剤は、酸無水物一種とアミン三種である。 酸無水物硬化剤を用いた樹脂ではいずれの照射環境下でも耐放射線性が優れていることがわかった。しかしアミン硬化剤の場合には、酸素加圧下での照射では劣化が著しく進み、放射線場での実用に際しては、制限が必要である事がわかった。
荒川 和夫; 瀬口 忠男; 早川 直宏; 町 末男
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 21, p.1173 - 1181, 1983/00
ポリエチレンおよびエチレン-プロピレンゴムを用い、放射線酸化反応におよぼす添加剤の効果について、酸素の吸収と発生ガスから調べた。使用した添加剤は酸化防止剤(NBC,Irganox 10 10,およびDPPD)と耐放射線性助剤である。0.5phr程度の酸化防止剤を添加することにより、酸素の吸収量は1/2~1/3に減少した。酸化防止剤は過酸化ラジカルの連鎖反応を抑えている。一方、耐放射線性助剤も効率よく酸化反応を抑えており、ポリマーマトリックスで線のエネルギー移動剤の役割を果している。その結果、ラジカルの生成量を減少させ、酸化反応が抑えられていることを明らかにした。
荒川 和夫; 中西 博*; 早川 直宏
Nucl.Techonl., 61, p.533 - 539, 1983/00
被引用回数:2 パーセンタイル:35.16(Nuclear Science & Technology)20種類の市販潤滑油の基油について、放射線照射による発生ガスをガスクロを用いて定量分析した。試料は真空中でCo-60線を用いて1Mrad/hの線量率で、鉱油およびエステル油は1000Mradまで、芳香族系油は3000Mradまで照射してガス発生量を調べた。ガス発生のG値は流動パラフィンが2.8、ニュートラル油が1.4、エステルが1.5~1.9、アルキルジフェニルエーテルが0.26~0.56、およびフェノキシフェノキシジフェニルが0.005であった。各基油とも主な発生ガスは水素であり、他にメタン等の炭化水素が検出された。エステル油からは一酸化炭素と二酸化炭素が検出された。全ガス発生量は、精製鉱油エステル油ニュートラル油アルキル芳香族油ポリフェニルエーテルの順であり、基油中の%Cの増加により発生ガスのG値が減少している。